定年退職などリタイアの前後で家計や支出を見直す方も多いでしょう。
住居費や生命保険料等と一緒にクレジットカードの見直しもお忘れなく。
定年退職後のクレジットカードに関するメリット、デメリット、そしてその対策についてまとめました。
もくじ
定年後にクレジットカードは必要か?
ビジネスパーソンとして大手企業に勤め、海外出張にも出かける機会が有った方はクレジットカードを使う機会も多かったことでしょう。
しかし、老後は徐々に遠出する機会も減り、買い物も身の回りの物が中心となります。
が、全てのクレジットカードを解約してしまうのは避けましょう。
老後生活で現金以外の支払いの手段を確保しておくことには大きなメリットが有ります。
老後にクレジットカードを持つメリットは?
例えばインターネット通販を利用する場合は、クレジットカードが必要です。
足腰が弱ってもネットスーパーで注文すれば飲料水、お酒、お米など重たいものも自分で運ぶ必要がないため無いため、老後は利用する機会が増えます。
商品を代引きで購入することもできますが、手数料などのコストがかかります。
また長期入院時の病院への支払い、国や地方自治体への納税などカードが利用できる場面が広がっています。
定年後はクレジットカードを絞り込もう
これからの老後に備えて、あるいは高齢の親御さん用のクレジットカードは絞り込むのがポイントです。
まず見直したいのが有料クレジットカード。
年金生活に入ると現役時代より年収が少なくなり、年会費などの負担が重くなります。
現役時代から利用するクレジットカードの会費負担が重たいときは解約して、会費が安いクレジットカード、会費が無料のクレジットカードに新規加入するのがおすすめです。
クレジットカードの新規加入では一般に年齢上限はありません。
審査の際に参考にするのは年収だけであり、年収には給料だけでなく年金も認められるため、年金生活者でも新規加入することができます。
年金額が少ない場合にも預貯金の額を補完要素としてクレジット会社が確認をして、カードを発行する例もあるそうです。
定年後のクレジットカード選び その注意点!
定年後は多くの場合、現役時代より収入が減りますのでクレジットカードの利用上限金額も下がる傾向に有ります。
現役時代と同じクレジットカードが発行されても利用上限の金額は数十万円単位で下がる場合があるので注意が必要です。(個々の事情で異なります)
以前と同じようにカードを使おうとしたら「限度額オーバーで使用できません」なんて言われたら、恥ずかしいやら腹立たしいやら・・・複雑な心境です。
利用上限金額の設定は事前に確認しておきましょう。
定年後のクレジットカードを選ぶなら
定年後用にクレジットカードを選ぶなら、年会費とともに次のようなカード特典にも注目したいものです。
・特定の商品が割り引かれる
・手厚い保険がついてくる など
自分にピッタリの特典内容のカードを選ぶと、知らず知らずの内にメリットが得られてお得です。
デビットカード、プリペイドカード、家族カードの選択肢それぞれについて比較します。
デビットカードを選ぶ!
デビットカードとは、クレジットカードと同様に使用し、銀行口座から利用額を即時に引き落とすカードのことです。クレジットカードは後払いですが、デビットカードは使ったその場で口座から引き落としされます。どちらもキャッシュレスとなる点で便利です。
デビットカードのメリット
クレジットカードの特典には自分に合う物がない、または特典には関心がないという方にはデビットカードがおすすめです。利用できる店舗やネットショップはクレジットカードとほぼ同じです。
デビットカードは銀行預金が有れば事前入金(チャージ)の手間はありません。
最近は、円預金だけでなく外貨預金から支払えるデビットカードも増えています。
新規加入の際にクレジットカードのような審査が原則不要な点もデビットカードのメリットとしてあげられます。
デビットカードのデメリット
便利なデビットカードですが、クレジットカードに比べて見劣りする部分もあります。
利用額に応じて還元されるポイントやキャッシュバックについてはクレジットカードに見劣りします。通常、クレジットカードの還元率は0.5%~1%程度ですが、一般にデビットカードは0.25%程度で、高くても0.5%程です。
プリペイドカードを選ぶ!
プリペイドカードとは、事前入金した金額の範囲内で使えるカードの事で、最近は「VISA」や「JCB」などブランド力のあるプリペイドカードも増えています。
プリペイドカードのメリット・デメリット
プリペイドカードは文字どおり利用前にカードに入金の手間が必要です。
が、逆にそのことが「使いすぎ」の予防策になるとも考えられます。
また還元率がクレジットカードを上回るものがいくつか存在します。
通常、クレジットカードの還元率は0.5%~1%程度ですが、プリペイドカードの中には還元率を2%に設定したものもあります。
新規加入の際にクレジットカードのような審査が原則不要である点もプリペイドカードのメリットとしてあげられます。
家族会員カードを選ぶ!
次のような場合は、家族会員カードという選択肢を忘れないように検討しましょう。
・定年後に利用するクレジットカードの年会費負担が重いとき
・年金生活者である親のクレジットカードを見直すとき
現役世代として働く息子や娘のクレジットカードの家族会員となって「家族カード」を持つのです。
家族カードのメリット
現役世代である息子や娘のクレジットカードの「家族カード」を持てば、カード会費が有る場合も従来どおり息子や娘の負担となるので、実質無料または割安となります。
家族カードは通常、本会員が審査の対象であり、家族会員の年収などは問われません。
加えて、利用上限や付帯保険の補償内容など特典は本会員と同じに設定されているものが多いのです。
親御さんが遠方に暮らしている場合など、家族会員分のカード利用明細も本会員である子供が直接チェックできるため、高齢者を狙う詐欺や不正利用などに目が行き届きやすくメリットも考えられます。
家族カードのデメリット
定年後のクレジットカードとしてメリットが多い家族カードですが、子供(現役世代の息子や娘)側から見た時のメリットが、親御さんからはデメリットに感じられる場合が有ります。
つまりカード利用明細が丸見えになってしまう点が親御さんから見るとデメリットと感じる場合もあるのです。カード利用内容について子供からアレコレ言われたくない、という場合もありますから、家族カードの利用に決める前には親子で話し合うことをおススメします。
50代から取り組む! クレジットカードの見直し
定年以降にクレジットカードを選ぶには、いくつかの選択肢があるとともに、さまざまな条件をクリアする必要が有ることがお判りいただけたと思います。
定年後でもデビットカードやプリペイドカードなら審査不要で簡単に契約できることは先述の通りですが、選択肢の幅が狭くなることは理解する必要があります。
ならば、50代の現役世代の内に、定年退職の前に自分に向くカードを見極めるという方法が有ります。デビットカードやプリペイドカードを試してみるのも良いでしょう。
新規加入できるカードの選択肢も多く、利用上限額の設定も自分で決められる現役時代の50代の内に、上記のようなリタイア後、または老後生活を意識してクレジットカードの見直しを始めるべきです。