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お墓の引越しをしよう! ~忙しい方も高齢者もお墓参りが楽々

お墓の引越し・お墓の移動をする人が増えています。
郷里にある先祖代々のお墓を自分の生活圏などに移動する「改葬」が広がっています。

お墓の引越しをすれば、高齢者も忙しい方もお墓参りが楽々、ご家族にもきっと喜ばれます。

お墓の引越しについて

お墓の引越し・移動のことを「改葬」と言います。

改葬の件数は1年間に9万1,500件(2015年 厚生労働省)に達しており、5年前に比べて約30%も増加しています。

お墓の引越し手続きと流れ、お墓の引越しの注意点を理解して、賢く改葬を進めましょう。

お墓の引越しをする理由

お墓の引越しをする理由として、次のようなものがあります。

・お墓のある郷里には、お盆とお正月しか帰れず、お墓参りができない。
自分(または親が)年をとって遠方のお墓まで行けなくなったため、近くに移したい。
・郷里を出て遠方に引っ越すので、お墓も一緒に引っ越したい。 など

高齢化や遠方のためお墓参りが不便であるという場合が多いようです。

郷里を出て都会へ移った人の場合、郷里に残って墓を守ってきた人たちにも少子高齢化が進んでお墓の維持が難しくなった事も考えられます。

都市部で新しくお墓を建てた人の場合でも、やはり少子化によって承継者がいないケースが増えています。

地方でも都市でも、このまま放っておけば無縁墓(守る人がいないお墓のこと)が増えるのは避けられない状態です。

このような背景から、
・地方から都市部へお墓を移す、
・都市部でも承継を必要としない永代供養墓などに遺骨を移す
お墓の引越し「改葬」が増えているのです。

お墓の引越し 4つのタイプ

お墓の引越し(改葬)のやり方には大きく分けて4つのタイプがあります。

1)遺骨だけを移動する
2)遺骨と石碑をまるごと移動する
3)一部の骨つぼだけを移動する
4)骨つぼの中から遺骨の一部のみを移動する

一番多いのは1)の「遺骨だけを移動する方法」で、改葬全体の約6割と言われています。

自分が実施したいお墓の引越し方法をよく考えましょう。
そして一部のみ改装して郷里にもお墓を残す場合には、今後もお墓を守ってゆく縁者の人たちとも話し合いが必要ですので、お忘れなく。

お墓の引越し費用

お墓の引越しには、次のような費用がかかります。

・墓石の解体・撤去の費用
・墓石の移設・廃棄の費用
・お墓を更地にもどす費用
・遺骨を取り出すとき、納骨する際の法要の費用・お布施
・離檀料(離檀のための費用、必要時)

元のお墓を今後使用しない場合は、更地に戻した上で管理者に返還する必要があります。
元のお墓があった場所をきれいにして返還することを忘れないようにしましょう。

古い墓石を処分する際は、魂を抜く法要を行って、その後は産業廃棄物として処分します。

またお墓から遺骨を取り出すときや新しいお墓に納骨する際の法要などでお布施が必要になる場合があります。

お墓の引っ越しの全体費用はどのくらいかかるのでしょうか?
ある業者の調査では、新しいお墓を建てた場合で平均300万円程度とのことです。
各々の費用を吟味して、あなたにとって最善の方法を選択しましょう。

お墓の引越し 手続きと流れ

お墓の移動手続きは次のような流れで進めます。

1)新しいお墓をさがす
  ご自宅からの距離、環境、予算などを考慮します。
  ご子息などへの承継を必要としない永代供養墓という選択もあります。

2)新しいお墓を決める
  管理者から受け入れ証明を発行してもらいます。

3)お墓を建てる工事(建墓工事)を依頼する
  納骨の時期を考慮して依頼する必要が有ります。
  墓石も移設する場合は、合わせて検討します。

4)「改葬許可申請書」を取り寄せる
  既存の墓地がある市区町村から取り寄せます。(自治体ごとに書式が異なるため注意が必要です)

5)既存墓地管理者との手続き
  「埋葬証明書」を受領します。

6)既存墓地のある市区町村との手続き
  「改葬許可申請書」を提出して「改葬許可書」を受領します。

7)遺骨を取り出す
  既存のお墓で儀式(閉眼式又は魂抜きと言う)を行います。

8)遺骨を安置する
  新しいお墓ができるまで自宅の仏間、移設先の墓地などに遺骨を安置します。

9)新しいお墓が完成
  墓石の移設、据え付け等の工事完成。引き渡し。

10)新しいお墓に納骨、開眼・納骨供養
  魂入れや建碑式などの儀式をして納骨します。
  「改葬許可証」を管理者に提出します。

以上が、お墓の移動手続きと流れです。

既存の墓地への配慮 忘れずに!

お墓の引越しの際の注意点として、既存の墓地(移転元)への配慮があげられます。

既存のお墓の多くは、
・寺院が運営する境内墓地
・宗教法人や自治体が運営する霊園
にあります。

お墓の引越し手続きの内「埋葬証明書」の発行は、既存の墓地管理者にお願いするものです。

民営霊園や公営霊園の場合、比較的スムーズに応じてもらえます。
しかし既存のお墓が、寺院の運営する境内墓地にある場合は注意が必要です。

お墓の引っ越しの注意点 ~寺院が運営する墓地には配慮が必要

寺院の運営する境内墓地にあるお墓を他に移すということは「お寺の檀家をやめる」(離檀と言います)ということであるため、寺院に対する配慮が必要です。

「埋葬証明書」の記入・発行は、法律(墓地埋葬法)に基づいた手続きであるため、お寺が拒否する理由はありません。また、お寺の檀家をやめることも本来は自由です。

ただし、お寺の経営が苦しい場合、檀家は”貴重な収入源”とも言えるものです。
また、寺院側には檀家を先祖から手厚く供養してきた長いお付き合いの経緯と自負もあるでしょう。

お寺の檀家をやめる「離檀」にともなう話がもし、こじれてしまうと、
・証明書の記入を拒まれる
・離檀料(離檀のための費用)を請求される
という事態も想定されます。

離檀料(離檀のための費用)に法律的な位置づけはなく、また金額の相場も不明確です。
寺院との関係が悪化して高額な離檀料を請求されたという例もあるようです。

お墓の引越し手続き 代行サービス業者も登場

お墓の引越し手続きをあなたの代わりに行ってくれる代行業者もあります。

1)寺など墓地管理者への移転申し入れ、
2)行政手続き、
3)墓地の撤去・整理まで

を全国一律の金額で代行してくれます。

郷里の親類縁者との話し合いが済んだら、手続きは業者に任せるというのも現実的な選択肢ですね。