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老後の住まいを考えるポイント ~選ぶとき、相続するときに

日本は、少子高齢化による人口減少が既に始まっています。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では世帯数も2019年にピークを迎えた後、徐々に減少すると予測されています。

特に地方では郊外の住宅地や市街地で人口減少が広がっているため、住宅地価は今後(大都市圏の一部を除けば)年平均で約2%ずつ下落してゆくと言われています。

高度経済成長期のように住んでいたマイホームを、購入価格より高い金額で売却して、より大きな家、より好立地の家に移り住む、というのは夢のまた夢と言えそうです。

日本の住宅寿命は30年~40年、先送りせず、今考えておくべきことは?

戸建てにせよマンションにせよ、マイホームを購入する、またはリフォームを考える際に検討すべきポイントが有ります。

30代40代で自宅を購入しようとしている方は「住宅寿命である30年~40年後のこと」を想定して考えてください。
50代以上の方でマイホームに傷みが出始めて「建て替える」か「住み替える」か「リフォームして現在の家に住み続ける」かを考えている方は先送りせずに考えてください。

その時に検討すべきポイントをいくつか挙げます。

マイホームの立地を新しい基準で考える

高齢期の住まいの選択肢は「建て替える」か「バリアフリー改修のリフォームを行う」、そして現在地に住み続ける、というのが一般的です。

しかし足腰や健康に不安が増してくる高齢期の住まいを検討する際には「立地」に関して先を見据えた考え方が不可欠です。
マイホームの立地が
・駅から遠い
・近くにスーパーマーケットが無い
・病院が遠い
などに充てはまる場合は、高齢期に適した生活環境かどうか再確認しましょう。

もし「現在地からの住み替え」を選択する場合には、駅周辺に物件を求めるのが最良の選択です。

居住誘導地区ってなに?

先述の通り日本の住宅地価は今後、年平均で約2%ずつ下落してゆくと言われています。
マイホームに資産価値がある間に売却を含めて検討する必要が有ります。

加えて2018年2月都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案が閣議決定されました。

同法は「居住誘導区域」と「都市機能誘導区域」を設定して、駅周辺など特定の地域に住宅や商業施設を、医療施設、福祉施設、公共サービス施設を計画的に集約することを目指しています。

そのため「居住誘導区域」以外にある宅地の地価値下がりが予想されており、現在地や住み替え候補地が「居住誘導区域」に該当するかどうか、が重要なポイントになります。

各自治体の都市計画課などに問い合わせて事前確認をすれば、今後を考える上で格好の判断材料となるでしょう。

空き家対策特別措置法ってなに?

高齢者が住み替えを考える場合、「サービス付き高齢者向け住宅」や「有料老人ホーム」などに入居することは有力な選択肢となります。

その場合、自宅の扱いについては、
・空いた家を賃貸に出す
・空いた家を売却する
・なじめなかった場合などに備えて、しばらく売却せず空き家にしておく
などが考えられます。

しかし現実的には、買い手や借り手が見つからないまま空き家となってしまうケースが非常に多く、その場合は、家族や両親の思い出が詰まった自宅ですから、積極的に売りに出すことにも抵抗を感じて先送りしながら、家財道具などを置いたまま空き家となっているケースもよくあります。

老朽化して管理の行き届いていない空き家は
・倒壊・飛散や火災の危険
・防犯上の問題
・ゴミ投機による環境衛生・害虫などの問題
・景観上の問題
・不法侵入の危険
などを引き起こす迷惑住宅と化すのです。

2015年5月空き家対策特別措置法が施行され、空き家の所有者に充分な管理が求められています。

特定空家ってなに?~特別措置法の対象となります

空き家対策特別措置法には、「空家等」の定義 を
・居住その他の使用がなされていないことが状態である建築物とその敷地
としています。

「特定空家等」とは概ね年間を通じて使用されていないもので、次のように周辺への影響が大きい空き家と定義されています。

・そのまま放置すれば倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態
・そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

空き家対策特別措置法で出来るようになったこと

1. 解体の通告や強制対処が可能になった

・保安上の危険となるおそれがある空き家、
・著しく衛生上有害となるおそれがある空き家
については、強制的に対処できる規定が設けられました。

2. 固定資産税の特例対象からの除外が可能になった

特定空家等に対する市町村の改善勧告がある場合、土地に対する固定資産税の特例(優遇措置)から除外されて、土地の固定資産税が最大で4.2倍に増額されます。

住宅のオーナーに求められることとは?

次のような家を子供などに相続した場合、管理費用と税金の負担だけが残る「負の遺産相続」となりかねません。
・住宅の資産価値が下がり続けている
・買い手や借り手が見つからない
・継続的な管理が求められる

資産価値の見込めない住宅には、子供たちに相続税が発生する前に自分の手で処分しておくということも親の大切な務めであると考える必要が有ります。