夫が定年退職して自宅にいる生活が始まると、妻はとたんに不機嫌になるらしい。
定年はビジネスマン現役時代とは異なる、全く新しい生活領域に踏み込むことです。
世の男性諸氏は心して価値観を変えねばなりません。
もくじ
定年退職で毎日が日曜日??
既に定年退職した先輩に伺うと、
彼の日常生活は“サンデー毎日”すなわち「毎日が日曜日」とのこと。
そして「ボケない秘訣として“キョウヨウ”と“キョウイク”が大切」とも。
「毎日が日曜日」とは何とも羨ましい響きですが「教育と教養とは???」
実は「今日、用事がある」「今日、行くところがある」の二つの意味なのでそうです。
これは確かに、ボケない秘訣として大事な言葉ですが、もうひとつ夫婦関係にも重要な教訓を秘めていそうです。
なんせ”自宅にいる生活が始まると、妻はとたんに不機嫌になる”わけですから。
夫婦それぞれの言い分は?
夫が定年退職して自宅にいると、妻がとたんに不機嫌になる、そのことについて夫婦それぞれの言い分はこうです。
夫の言い分
「定年退職まで仕事を頑張って生活を支えてきたのだから、定年後も妻は自分に感謝し、家事など何もしなくても大目に見てくれるだろう。今まで家庭の収入を支えた貢献の“貯金”は今後も有効である。」というのが心の声でしょうか?
しかし、これは大きな間違いです。現実はそれほど甘くありません。
定年後もこのような考え方のまま価値観が変わらない場合は、いずれ夫婦の関係が破綻してもおかしくありません。
妻の言い分
「男女平等の理念で教育を受けてきたのに、子育てのために(当時は)専業主婦にならざるを得なかった。」という女性も多いものです。
「夫は収入面で家庭を支えてきたが、私だってやりたいことをずっと我慢して子育てと家事を優先してきた。結婚してから定年退職までの期間のそれぞれの“貢献の収支”はお互いにトントン。夫が自己評価で勝手に期待している一方的な“貢献の貯金”はゼロで残っていません。」
夫に対する評価はサンザンなようです。
夫と妻の言い分はココまで食い違い、このままでは夫婦関係が破綻しかねません。
熟年離婚にならぬよう夫婦関係の立て直しを図る必要が有ります。
定年退職を機に新しいルールを作る
このような状況に気づき、夫婦の関係を今後も良好に保つため、自ら新しいルールを作った先輩達がいます。三つのケースを紹介します。
実例1)掃除宣言
「手伝う」とは何事か?と。「同等に分担しよう」が正しいと。妻の言葉が身にしみたため、考え直して、その後「毎日掃除宣言」をしました。
Cさんは宣言どおり、毎朝1時間程度かけて自宅を掃除しています。
「手伝っている」「やらされている」というマイナスの考えはなく、むしろ「汗を流し、体力を維持するトレーニングの一環として取り組んでいます。」という前向きな発想がCさん自身のモチベーション維持につながっているようです。
もちろんCさんの毎朝掃除が、奥さんからも支持を得ているのは言うまでもありません。
実例2)新しいことに取り組む
「あなたの面倒を見るのはとても大変だ」と。私を世話するのが負担だったんです。考えた結果「今までのままではいけない」と思い、新しいことに挑戦はじめました。
最も家族の役に立つのは何か?と考えたDさんは一年発起して、自治体が開催する料理教室に通い、一から料理を学びました。
現在は得意料理もできて、週に3~4回は昼食も作って喜ばれているとのことです。
Dさんの挑戦は続き「更に良かったのは、妻の趣味で会った山歩きに付き合ったこと」
妻と一緒に計画を立てて尾瀬や鳥海山などへ同行。
「計画を立てるのも楽しいし、現地で一緒に歩きながら話す機会も増えて夫婦仲が良くなりました」とのこと。
Dさん、自宅生活のカラを破って良かったですね。
実例3)行動の情報公開をする
そこでEさんは自室に大きなカレンダーを掛け、日ごとの予定をなるべく解りやすく書き込むようにしたそうです。夕食が不要の日には目立つ印をつけて妻に知らせる。外出先や合う人の名前も書きこむとのことです。
妻は日頃から障碍者支援のボランティア活動をしており、制約を感じないで行動できるようにするには、夫の側から積極的にその日の予定を公開することが良いと判断したそうです。
熟年離婚にならないために
長年連れ添った夫婦は、以心伝心でコミュニケーションできる!とか、男は黙って語らないのが良い、というのは、男の側の勝手な思い込みのようです。
定年はビジネスマン現役時代とは異なる、全く新しい生活領域に踏み込むことです。
世の男性諸氏は心して価値観を変えねばなりません。
まずは夫から「自分は今後何をしたいか」「妻は何を望んでいるのか?」という辺りから会話を始めてみてはいかがでしょうか?